家事代行を仕事にするにはどんなスキルが必要?
がんばる女性を応援し、お客様感動度120%を目指す家事代行のベアーズです。
今回は家事代行を仕事にするにあたっての必要なスキルについて、ベアーズ西日本で活躍する岩崎紀子にインタビューしました。ホテルからの華麗なる転身の後、現在はスタッフの指導教官、品質管理として日々家事と向かい合っている岩崎にとって家事とは?なぜ家事を仕事にしたのか?「仕事としての家事の極意」についてじっくりと語ってもらいました!
どのような経緯でベアーズに入社したのですか?
もともとはホテルの仕事を長くやっておりました。ホテルではフロント係から客室清掃、そして調理まで幅広く経験させていただき、大変ではありましたがやりがいはありました。ホテルでは“おもてなし”の基礎的な部分を徹底して教え込まれるのですが、それはテクニックだけの話ではありません。ホテルが目指す究極のサービスとは「家庭の暖かさ」なのです。お客様が部屋に入った時に、まるで住みなれた家にいるようにホッとしてくつろげる。そのような環境を実現するにはスタッフの一人一人が思いやりを持ってお客様と接し、何を求めているのか、あるいは何か困っていることはないかなどこちらから察しなくてはなりません。お客様に対していかに親身になれるかということですよね。それは家事代行の仕事にも通じる部分があると思います。
そして、しばらくはホテルで忙しく働いていたのですが、結婚を機に退職をすることになりました。というのも「家をしっかり見てほしい」という夫の希望があり、時間も不規則なホテルの仕事との両立は難しいと判断したからです。しばらくは家庭生活に専念していましたが、諸事情の変化で日中であれば仕事に出られるようになったので、職探しをしたところベアーズを知り、その考えに心から共感を覚えたので「ここで働きたい」と思ったのです。
ホテルで培ったスキルは、ベアーズでどのように生かされましたか?
生かされた部分もありますし、逆に混乱した部分もあるかと思います。というのも、ホテルの部屋というものは限りなく匿名性の高い無機質な空間なので、部屋を整える=元の状態にリセットすることになります。宿泊者が変わるタイミングでの清掃は、そこにお客様の私物があるわけでもなく、ガイダンスに従って行えば確実にできることなので迷いなく手が動きました。しかし、ベアーズの仕事で「片付け」や「清掃」を頼まれたときには、そこに人が住んでいる生活空間に入ることになるので、当然のようにたくさんの“モノ”があります。私はこの“モノ“たちに最初は混乱してしまいました。何をどのくらい手をつけて良いのか判断基準を見出せなかったですね。しかし、経験を重ねるうちにだんだんと”モノ“との距離感が掴めてきました、これはお客様への理解度の表れでもあると思います。お客様が求めている理想の状態をヒアリングによって確認し、且つ性格や好みまでも含めて仕上がりに反映させていく。これはまさに想像力と思いやりですよね。ホテル時代にも「お客様がいかにリラックスして過ごせるか」ということ日々考えていたので、そこは自然に実行できていました。
家事代行をお仕事にするにあたって、最も重要だと思うことはなんですか?
毎日の家事は私たちにとって「逃れようのない現実」でしかありません。掃除、洗濯、料理…ただただ目の前にあるタスクをこなすだけで精一杯と言えるでしょう。しかし、家事代行のプロとして私たちが各ご家庭に入ったときには、当事者ではないということから距離をおいて状況を見ることができます。
お客様の要望や求める仕上がりをヒアリングしたうえで、優先してやるべきこと、その方法、所要時間…これらを現場にて瞬時に分析します。そしてこの分析スキルこそが、私たち家事代行の仕事には大事だと思っております。
家庭で追われるように家事をしていては、やっつけ仕事のようになってしまいます。その場しのぎで片付けや清掃をしたとしても、すぐにまた散らかってしまったり汚れたりしてしまうもの。家事をやるにも長期的なビジョンは必要なのです。それは「散らかったから片付ける」のではなく、散らかりにくい整理整頓をやるということ。明日も明後日も続く“家との長い付き合い”なので、長いスパンの通過点として今を考えると、必要な作業が見えてくるかもしれません。
そして分析をする際には、思いやりを持つことが何よりも大切です。家事に正解はなく、理想とする生活空間の状態は各家庭によって変わってきます。予算や要望に応じてやる内容を決めることはもちろんですが、そこにお客様のライフスタイルや性格、好みも考慮に入れて最適な家事を行う。これがお仕事としての家事代行だと考えています。
技術と心。この2つが家事代行のお仕事の柱になるのではないでしょうか。